会長挨拶

公益社団法人日本鉄道広告協会
会長 久保田 穣

公益社団法人日本鉄道広告協会
会長 久保田 穣
このたび、公益社団法人日本鉄道広告協会会長に就任した久保田穣です。よろしくお願いいたします。
日本における鉄道は、新幹線に代表される高速鉄道、大都市の大規模輸送を担う山手線、環状線、大手私鉄や地下鉄、地域の足としてのJR線、私鉄各線など広く社会のインフラとして機能しています。一方で、人口減少社会の到来により社会構造や人々の生活スタイルは緩やかではありますが大きく変化するとともに、訪日外国人の急激な増加で鉄道のお客様の国際化も進むなど、鉄道を取り巻く環境は日々厳しさを増しております。
鉄道における広告には、列車車内、駅構内、線路沿線などに広く展開され、多くの人々の視野に容易に入るという特性から、鉄道周りの環境を構成する大きな要素としての「公共性」が求められています。当協会では、会員の鉄道会社、広告会社が専門的見地に立って、広告内容の妥当性の確保、美観・風致と調和、安全性の向上等の諸活動に取り組んでいます。皆様のご理解とご支援をお願い申し上げる次第です。
鉄道には、「環境優位性がある」とも言われていますが、高速大量輸送という特性に立ちつつも、エネルギー効率の良い車両の開発や、保守面での効率化、廃物の分別再利用、あらゆる部門でのDX化など不断の取り組みがなされてきました。当協会では、鉄道広告を活用した「エキからエコ」キャンペーンを20年にわたり実施し、地球温暖化防止への理解促進等に取り組み、各方面からご評価をいただいております。併せて鉄道のご利用促進にもご理解を賜れば幸いであります。
公共性の面からも鉄道広告の近代化・価値向上は重要な課題です。インターネット広告が大きくシェアを広げている現状において、鉄道を利用するお客様に自然に訴えかけられる鉄道広告の意義は高まることこそあれ、低下するものではありません。しかしより社会的責任を果たしていくためには、供給側と需要側双方のニーズを最新のテクノロジーによって的確に把握するとともに、新しい技術を積極的に取り入れて媒体改革を進めていかねばなりません。これには、幅広い知見や他産業で実用化された技術などが必要です。どうかビジネスという形での各方面からのご協力をお願い申し上げます。
広告業界を見れば、コロナ禍後の落ち込みから順調に回復し、総広告費は三年連続で過去最高を更新し、特にデジタル広告分野が市場全体を牽引し、新聞や雑誌など紙媒体広告の減少に見られるようなマス広告の価値低下をはじめ消費者による広告回避や少子高齢化よる市場減少など大きな課題を抱え、広告そのものの改革は避けて通れない道です。鉄道広告も同様に改革を求められています。鉄道広告に関わる私たちは、経営の質的向上を図り「選択される媒体」であり続けるために、市場のニーズを徹底的に追求していかねばなりません。これまでの「出せば届く」という受け身の構造から脱却し、自ら「価値を創出する媒体」に変化を遂げることが必要です。そのためには、営業部門の近代化、人材の育成、AIの活用、広告効果の可視化や広告取引の透明化などに喫緊に取り組むとともに、交通広告ならではの安全性を確保しつつ、毎日ご利用いただく生活者に親しみと楽しさをお届けする好感度の高い広告を創出しなければなりません。どうか皆で力を合わせ乗り切りましょう。
